親方の目安箱 2002年3月号
親方:おっ、今日は富士山がきれいだなぁ。スッポリと雪をかぶっちまって、
   なかなか風流だな。
ハチ:おはよっ、親方。今日も寒いね。
親方:おはよう。しかしお前も元気だねぇ、この寒いのに半袖Tシャツ1枚だけとは。
ハチ:なに言ってんだい。昔っから言うだろ、しんとうメッキョキュ・。なんだっけ?
親方:『心頭滅却すれば火もまた涼し』だろ。なるほど、たまにはいいこというじゃ
   ねぇか。でも風邪がはやっているから気をつけろよ。
親方:しかしこう寒いと、どうしても部屋の空気が悪くなってくるな。
ハチ:どうして?
親方:暖房すると暖かい空気を逃がしたくなくて部屋の換気をしなくなるだろ。
   だから空気中の炭酸ガスの比率が多くなってくるわけだ。
ハチ:そういうことか。たしかに冬場の一酸化炭素中毒の事故なんかを見ても、
   気密性の高さや換気の悪さがうかがえるよね。
親方:ああ。新鮮な空気というのは、人間が生きていくために最低限必要なもの
   だからな。水や食事は2〜3日とらなくても大丈夫だが、空気はそうも
   いかん。空気がなければ10分も生きられない。
ハチ:そりゃそうだね。いくら息を止めるのが得意な人でも3分位が限度だもん。
親方:現代の住宅は高気密がさけばれているが、ちょっと疑問に思わざるを
   えないな。こんなデータがあるぞ。空気が1時間に入れ替わる回数を
   換気回数というんだが、昔の開放的な木造家屋では5回から10回、
   閉鎖的なRC(鉄筋コンクリート)住宅でも1,2階はあったんだよ。
   ところが今では木造、RCの区別がなく窓を締め切った場合は0.5回
   程度に減少しているんだ。
ハチ:随分と少なくなったんだね。
親方:そうだな。空気の出入りが半分になれば、室内で発生した汚染物質の濃度は2倍
   になるわけで、最近の家の中の空気は昔の数倍汚れているといえる。それにも
   増して、現代の住宅では有害となるものが昔より多い。二酸化炭素や、ストーブを
   燃焼させると発生する一酸化炭素や窒素酸化物、新建材からのいろいろな揮発性
   有機化合物(VOC)などさまざまだ。子供のぜんそくなどの原因とされるダニや
   カビなんかのアレルゲンの増加も心配だな。日本という国は多湿な気候だからダニ
   やカビが発生しやすいから。
ハチ:そうすると、近年になって増えてきたアレルギーの問題なんかも解決の糸口が
   見えてくるね。
親方:ああ、すべてが住環境のせいとは言わないが、占める割合が大きいことは確かだ。
   それだけは認識しなければな。
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